Mixcder 872, Bluetooth 4.0 ヘッドフォン 密閉型 ワイヤレス NFC搭載 有線と無線両用(ブラック)
おすすめ度*1 |
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ASIN |
ややきつめの付け心地のワイヤレスヘッドセット。折りたたみ可能で持ち運びには便利だ。イヤーマフは柔らかいが、少しべたつくところがあり、蒸れやすい。
遮音性は比較的高めだが、音漏れは大きめ。大音量では首掛け音楽鑑賞もなんとか可能だ。
通信は安定している。通信遅延・途絶はほぼなく、動画鑑賞にも支障はない。距離的にも音源再生機器から5m程度離れても通信の乱れはほとんどない。
【1】外観・インターフェース・付属品
付属品は充電用USBケーブル、AUXケーブル、日本語と英語マニュアル。音源の入力はBluetooth以外にAUXでの入力も可能。
操作インターフェースが独特。指で押すと傾斜する独特の作りで、指でなぞって操作できる。
【2】音質
広さのあるドンシャリ。解像度は比較的高めで音に荒れはない。しっかりした低音の響きの上に中域が広めの空間を作る。高域はやわらかさがあり自然にのびやかで尖る感じではない。抜け方はきれい。全体として低音の床面をしっかり感じながら広く包まれている良質な空間を形成している。
[高音]:のびやかだが尖る感じはなく、なめらかさがある音(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)
[中音]:広さを感じやすい。奥まるストリングスにも存在感があって、奥行き感もしっかり。全体的に丸めの音でピアノもギターも優しく感じる。
[低音]:100hz~30hzまではっきりした厚みのある音。自然な減衰。ドラムは重たく弾ける活きの良い音。バチバチと熱量と爆発力、地鳴りを伴いながらよく弾む。低域の精彩はなかなか(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)
[解像度・立体感]:広さと奥行き感はあるが、全体として音が丸く、柔らかく空気に溶け込む空間性を感じる。一方で低域の床面はかなり明確(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)
[パーカッション・リズム]:ややもっさり。アタック感は強くないので安定感を感じる(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)
[ボーカル傾向]:温度感のある耳に優しい演出。のびやかだが、尖るところはない。暖色系。
【3】官能性
やなぎなぎ「Killer Song」は重たいが沈み込まない低域が熱量を加える。中域はなめらかでゆるやかに広がっている。そのためボーカル周りが広く感じられ、サビでは自由に躍り上がる空間が感じられる。息づかいも自然。
鈴木このみ「夢の続き」は低域がボーカルに力強さを与え、広めの空間表現がのびる余地を用意していてボーカルに自由を与えている。楽器音は全体的にのびやかでなめらかな音。力強い感じではないので元気度はそれなりだが、色合いは明るい。
分島花音「killy killy JOKER」も弦楽の伸びやかな音が重苦しさを取り除いている。なめらかで流れを感じるので前方へと音が自然に進んでいく流動性の良さがある。ボーカルも自然な味わいでクセがなく、全体として明るく上品な印象。
沢井美空「なきむし。」は情感に満ちている。しっとりした感じだが、のびやかなのでそれほどじめじめせず、ほどよい踏ん切りのある明るめの色合い。全体として優しい弦楽音が曲に穏やかな色彩を加えている。気持ちを後押しする曲調に聞こえる。
【4】総評
低域重視の鳴り方だが、空間が広くのびやかで重苦しくならない。装着感は少し硬いが、音質的にはなめらかで聴きやすいマイルドさがある。通信性能も安定しており、動画鑑賞にも向く。折りたたみ可能で携行性も高く、全体的な使い勝手は素直に価格以上だろう。
このヘッドセットは文句なくおすすめ。
Mixcder 872, Bluetooth 4.0 ヘッドフォン 密閉型 ワイヤレス NFC搭載 有線と無線両用(ブラック)
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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。