穏やかなテーマを繰り返しながらゆったりと曲は進んでいく。思い出、情景、時代の流れ、そういったものをゆっくり辿るように曲は徐々に鮮やかになっていく。そこにはいつも変わらず照らし続ける静かな月が浮かぶ。
月の神ディアーナはしかし、同時に豊穣と多産の神でもあり、文明の象徴ですらある。柔らかかった音にギターの音が加わり徐々に硬質に、機械的に、現代的になっていく曲調。それは時代の変遷を感じさせる。
やがて曲は月の霞むはるかな夜明けとともに、遠い人類の未来を地平線の向こうに臨むかのように美しくのびやかな音を奏でて終わっていく。
- アメリカ合衆国のジャズピアニスト、作曲家、編曲家、音楽プロデューサー。1960年8月26日生まれ。ペンシルベニア州フィラデルフィア出身。 続きを読む
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