Aukey bluetooth スポーツヘッドセット ワイヤレスイヤホン iPhone 6S, 6S Plus,sony, Android スマートフォンなど対応 (グリーン)EP-B13
おすすめ度*1 |
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これは評価が難しい製品だ。あまりにも独特の装着性が完全に好みを分けるように思うからだ。うまく装着できる人にはかなりフィット感が高く、手軽で使いやすい。一方で装着に違和感を覚える人は、すぐ外れるし妙な方向にテンションがかかって気持ち悪いと言うだろう。
イヤーピースを調節し、装着方法がわかってくるとこのイヤホンの装着性が味わえるようになると思うが、そこまでいくのがめんどくさい人には使いづらい。
装着は慣れると簡単。 バンドをネックの後ろに通してイヤーピースを挿入すればよい。 弾力性のあるバンドと大きめの安定感があるイヤーパッドにはしっかりした装着感がある。 長時間使用ではやや耳が痛むかもしれない。
遮音性は比較的高く、環境音もかなりカットし、音漏れも比較的少ない。
【1】外観・インターフェース・付属品
付属品はイヤーピースの替えと充電用USBケーブルが付属する。
バンドがブラブラするコード式ではないので、全くスポーツの邪魔にならない。 激しいスポーツでもズレにくく、外れればすぐに気づくので無くすことも少ない。
【2】音質
音質は伸びと輪郭感のあるクリアというよりは充実感のある音で、肉質が詰まっているような密度の濃い音で、場合によっては重たいといえるかもしれない。 しかしこの重さは低音が強くて重苦しいという感じではなく、迫力面でのパンチの効いた重さだ。
大ざっぱに言ってドンシャリだろうが、シャリ感はほぼない。
[高音]:ほどよい伸びと透明感がある音。この価格帯では飛び抜けたという感じではないものの、水準以上の聴き応えを感じる(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)
[中音]:密度感とのびやかさがある。奥行きもあってボーカル周りに柔らかく展開し、低域の作る膜を充満させる感じのあたたかみのある音。
[低音]:低域はやや乱れがあるが、全体として締まった音で、100~60hzくらいは振動が素直に減衰している。50hz~40hzに沈みのある音があって底のようなものを作っている。やや下方向に深いが柔らかく膜を作る音で、あたたかみがあるのが特徴。重苦しさとは無縁(分島花音「killy killy JOKER」、Round Table featuring Nino「Rainbow」、重低音音源動画でテスト)
[解像度・立体感]:やや深さを感じる球状のやわらかな空間を感じる。中心にボーカルがあってそこに向かって充満している空間(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)
[パーカッション・リズム]:ドラム優位。また柔らかみが強いのでメリハリはそれほど感じづらいためアタック感よりは安定感を感じやすい。空間に密度を加える味付け(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)
[ボーカル傾向]:ボーカルには締まりとのびやかさがあり、全体として生命感がある。明るいが天井は近く上方向への突き抜けには欠ける。
【3】官能性
まず奥華子「夕立」。 この曲はサビでも繊細なボーカルに集中してエコーを出しディテール感を印象づけるところと、ダイナミックで迫力ある重層的な音で支えてボリューム感で勝負するパターンがあるが、その両方の描き分けがうまい。 とくにダイナミックな場面では様々な音色の楽器が入るため、音割れしやすい曲だが、うまく輪郭を伝えてシャギーは出ない。 ラストの水音的な表現もよくこなしていて気持ちが良い。
joy「アイオライト」は意外とぼけやすい曲で、この曲が苦手なイヤホンだと大抵ボンボン虚ろな感じの音になりがちだ。 パーカッションがしっかりしている曲なのでリズムは失わないが、迫力を大きく減じることが多い。 このイヤホンは細かく響くギター音やベース音が存在感を失わないので、パーカッションリズムに空間性が加わり、全体として厚みが感じられる。 過去の思い出の数々が走馬燈の駆け巡りながら奔流となって流れ込んで未来への道を指し示していく、そうした曲のイメージが素直に感じられるのは一貫性のあるボーカル表現にこの重層的な厚みが実感を加えているからであろう。
nano.RIPE「スターチャート」もベース音とパーカッションに安定感と存在感があり、全体として引き締まってメリハリがあり、スピード感が素直に楽しい。 今この一瞬を引き延ばしたい、走り去っていく時の流れに一点の安定点を目指して疾走していくボーカル、全体として良いが、ラスト付近のボーカルに集中するあたりも情感がよく伝わってくる。 低音はそれほど圧迫感を感じないのに、全体として充実感があるので迫力をとてもうまく出している。 これは個人的にはかなり好みな味付けである。
Kylee「大好きなのに」はブーミーな低音と締まりのあるパーカッションが音場をしっかり支えながら、彩りを添えるピアノ音が奔放に踊りながら絡み合ってくる。 ボーカルは一貫して厚みのある力強さを失わず、下手なイヤホンだとハスキーにごまかしがちな声色に圧縮感があってかすれない。
【4】総評
簡単に付け外しが出来、存在感のある装着感がある。この装着感はうまくいかないと不快要因になるかもしれず、その点で間口が狭いのが残念な点だ。
一方で、素直に厚みがあって迫力のある音は、ロックやポップスの満足度を高めてくれる。 厚みは重層性と空間性を高めており、コンサートホールほど広くはないが、本格的なスタジオ環境に身を置いているような充実した密度がある。
スポーツ向けと考えると、少し没入感が強すぎて屋外スポーツでは心配されるほどだが、ジムなどでは一心不乱に音楽に集中しながら走り込んだりできそうだ。
Aukey bluetooth スポーツヘッドセット ワイヤレスイヤホン iPhone 6S, 6S Plus,sony, Android スマートフォンなど対応 (グリーン)EP-B13
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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。