JVC HA-FX750 WOODシリーズ カナル型イヤホン ハイレゾ音源対応 ブラック
おすすめ度*1 |
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木製振動板を用いたハイエンドイヤホンモデル。力強くあたたかみのある音が特徴。遮音性高めで没入感があり、音漏れはほとんどない。
【1】外観・インターフェース・付属品
付属品はキャリイングケース、イヤーピースの替え。イヤーピースはコンプライも付属する。タッチノイズは若干目立つ。
【2】音質
力強いがあたたかみもある音が特徴。情報量も多いが、緻密になりすぎずなめらか。高域は自然に近い味付けで低域もやはりナチュラルで全体として深みの感じられるぬくもりのある音。
[高音]:厚みあり。力強く伸びやか。突き抜け感や透明感はあまりなく、ギラギラしない自然な音(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)
[中音]:立ち上がりがよい。ピアノは鮮やかだが有機的な音でなめらか。ギターにはしまりと深みがあり、金属的なぎらつきは少ない。
[低音]:100hz~40hzまで重く自然に減衰する。30hz以降は沈み込む(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)
[解像度・立体感]:広く奥行きも感じられ、低位感強く情報量多め。密度と広さのバランスの良さはレベルが高く、気持ちよく広がる音楽空間を楽しめる(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)
[パーカッション・リズム]:重みがあるがメリハリも強く沈み込まない。元気でエネルギッシュ。はじける音は少し固めで開放感よりは密度を出してエネルギーを加える音(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)
[ボーカル傾向]:力強さとぬくもりがあり、のびやかで自然。息感もよく出る。
【3】官能性
Claris「ルミナス」はまずピアノ音が有機的でキンキンしないやさしい音。低域が広さと深さを表現する上に、ストリングスが力強く立ち上がり奥行きと情感を演出する。ボーカルは透明感よりはぬくもりのある一定の厚みを感じる生命力のある味わいでのびやかに豊かに歌っていく。全体としてあたたかくエネルギッシュな生命力に溢れた暖色な情感のある味付け。
奥華子「変わらないもの」はぬくもりのあるピアノ表現がやわらかさとあたたかみを加えて、暖色の下地を作る。ボーカルも伸びやかな中にぬくもりがあり、そのぬくもりを優しく広く広げるのがストリングス。そうして広がったあたたかな空間に低域ドラムがアクセントと重みと加えてエネルギーを与えている。ぬくもりに満ちた色合いが楽しめる。
YUI「Laugh away」は地平線に沿うように広がり、空間を感じさせる導入がきれいに決まる。温度感のあるボーカルはハスキーだがぬくもりに満ちていて、その声にエネルギーを加えながらメリハリを出す低域。おとなしめではあるものの鮮やかさを加えるギターが美しい。
nano.RIPE「ツマビクヒトリ」はベースとギター、ドラムが生き生きしていて躍動的。のびやかなボーカルには温度感がある。どちらかといえば迫力重視の色彩で疾走感は若干重たいが、その分情報量のあるはっきりとした力強さがあり、短距離ランナーのように駆け抜けるパワフルさが感じられる。
【4】総評
情報量が多く、しかもそれがガチャガチャと細かく感じられすぎない自然な味わいをつねにもって聞こえてくるのが魅力。尖ったところはあまりなく素直に温度感のある力強さで熱量を感じる。それが優しくぬくもりのある音楽として聞こえてくる。一聴してわかるというような精彩さには乏しいものの、細かな調整のきいた音は質が高い。音質の割に価格も抑えられていて、コスパも感じられる製品だ。
JVC HA-FX750 WOODシリーズ カナル型イヤホン ハイレゾ音源対応 ブラック
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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。