おすすめ度*1 |
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小型で手のひらサイズのコンパクトワイヤレススピーカー。5Wドライバーだが、密度感とクリアさもそれなりにあり、かなり遠くまで音が届くのが特徴。
【1】外観・インターフェース・付属品
充電用のUSBケーブルとAUXステレオケーブル、それに英語のマニュアルが付属する。BT接続以外にAUXを使った入力が可能。
【2】音質
小型スピーカーなりの平面的なところはあるものの、逆に密度を感じられるところのある音。全体的には高域と低域に存在感の強いドンシャリに思う。振動感が強く、大音量だと空気を震わす風圧があり、パワフルで意外と遠くまで音が届く。
[高音]:のびやかさと抜け、透明感があるがやや尖った音。スピーカーから直に音を聞くと圧力でやや耳が痛く感じるくらいはっきり出る(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)
[中音]:やや奥まってピアノや弦楽はおとなしめ。方向感は強くなく、ボーカルの後ろから響いてくる。
[低音]:100hz~90hzはかなりしまった音。80hz~50hzまでは振動感の強い音で40hz以下はまた締まっておとなしい。これがドラムに独特のはじけた感じを与えていて、音圧が感じられ、アタック感も強く感じる(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)
[解像度・立体感]:スピーカーに詰まった音がそのまま飛びだしてくる密度感のある音。中域が奥まっていて低域とボーカルの前面とやや分離した独特の遠近感があり、カレイドスコープを覗くような感覚はある(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)
[パーカッション・リズム]:シンバルはかなり軽くまた妙につぶつぶしているので疾走感などは出づらい。ただドラムは音圧があって迫力とアタック感が出ている(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)
[ボーカル傾向]:ボーカルは近めで分離されており、高域まで比較的クリアで透明感もありなかなかよい。
【3】官能性
分島花音「killy killy JOKER」はドラムがやや強く、チェロはそうでもないが、とくにヴァイオリンの弦楽音が分断されがちでのびやかな空間表現よりはリズムの刻む音が目立つ味付け。そのせいかゴシックスタイルの重苦しさはそれほど感じられず、比較的明るいリズムミュージック的な曲調になっている。
鈴木このみ「DAYS of DASH」ドラムのはじけはなかなかあるので疾走感はよく出ていて、ボーカルも伸びやかで比較的聴き応えがある。背景に混ざる楽器音がやや奥まってドラムとボーカル優位なので若干単調だが、テーマ性は明確。
奥華子「桜並木」はボーカル重視でギターとピアノは奥まっている。とくにこの曲では叙情的な味付けに欠かせないアコースティックギターのつまびきが全く目立たないので、落ち着いて単調になってしまっている。
Choucho「空とキミのメッセージ」は潮騒のように響くシンバルがかなりおとなしい。ドラムのリズム感とのびやかで自由なボーカルの雰囲気は出ているので満足度は結構高いものの、やはり若干単調に感じられる。
【4】総評
小型な割にパワフルなサウンドが特徴。ただその出方はかなり単調で低音とボーカル重視の大味な感じ。ピアノや弦楽などに鮮やかさがあまり感じられず情緒感は出にくい。どちらかと言えばドラム優位のロックミュージックやラップ、ヒップホップに味わいがありそうだ。
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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。